ラブホ日記 初日

こんばんわ。

おなるくんです。

初日。何もかもが新鮮で、未知なる世界が広がっていると思うと

楽しみで仕方ない。

バックヤードに案内され、支配人を待つ間、心臓が少し早く鼓動していた。

(ヤバっ、ちょい緊張する!)

この業界に対して抱いていたイメージは正直、少し暗くて怪しい雰囲気だったけれど、

その場所は驚くほど清潔感があり、整然としている。

「この業界って、もっと適当なんじゃないの?」そんな風に考えていた自分が、

ちょっと恥ずかしくなる。

そしてドアが開いて現れた支配人は、どこか懐かしさを感じさせる、松平健さん似のダンディな男性。

優雅な立ち振る舞いと落ち着いた声で、なんか落ち着くけど、まだ信用できない。

彼のあとに続いて、私の教育担当の女性が現れる。

彼女は、松たか子さんを彷彿とさせる品のある豊満熟女。

(まだ信用できない。でも、ちょいモヤる)と思わず心の中で呟く。

二人は、企業理念から給料、保険のことまで、丁寧に説明してくれた。

最初は、もっと「ゆるい感じ」かと思っていたけれど、

実際にはしっかりした組織だった。

なんだか、性業界に対して抱いていたイメージが大きく変わっていく。

どちらかと言えば、私の方が、タトゥーの入ったハゲた、変な中年バイト扱いで、

「おなるさんは、タトゥーはしっかり隠してくださいね」と笑顔で注意されたとき、

自分の思い込みが一気に覆され、勝手な先入観が、次々に壊れていきました。

エロいことを考えるにしても、もっと気を引き締めなければと.....

夜が更けると、次々にアベックがやってくる。(平日なんだけど。なにこの忙しさ!)

ラブホそんなに忙しくないでしょと高をくくっていましたが、

予想以上の忙しさに、頭がぐるぐると回り始めた。

部屋の管理、鍵の受け渡し、会計、フードの注文…覚えることは山のようにある。でも、妙に楽しい。

どんどん自分がこの環境に引き込まれていくのを感じていた。

 

そんな中、ヤンキー風の女性が一人でそそくさと退出していくのを目にする。

「あれ?」と不思議に思う間もなく、今度はその数分後に、

タバコをくわえた男性(チンピラ中年風)がフロントに現れた。

彼は何やら落ち着かず、呂律が回らない。大量の汗が額を伝い、目は完全にパキパキ。

「延長料金が足りない」と騒ぎ始めた彼に、冷静に対応する先輩社員の姿は、

まるでドラマの一幕のようで、警察沙汰になりかけるも、なんとか事なきを得る。

いいじゃん。ラブホらしい。いいねー、渦巻いてるねー!

これこそ、この業界の醍醐味かもしれない。

さらに、清掃スタッフから「おしっこが床にビシャビシャで、あの部屋ちょっと無理!」という声が響く。

先輩スタッフの手慣れた対応に、私は思わず「かっこいいな…」と感心してしまう。

まさに、ここはラブホテル。

この場所ならではの光景が次々と繰り広げられていく。

初日から濃いねー!こうでなくっちゃ!

「この仕事、面白いかも…」そう感じ始めている自分がいる。

今はシステムを早く理解し、1日でも早く一人前になりたい。力になりたい。

そしたら、もっと面白いことに余裕をもって対応できる。

やる気のでる一日でした。復習。復習!

ではまたいつかの夜に。

 

 

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