
こんばんわ。
おなるくんです。
ーー足止め地獄 継続中。
焦る衝動をとにかく抑え、今やるべきことに集中する。
融資の書類、資金繰り表、助成金申請。見積もり打合せ。
安全に経営できるよう数字を入れてみたら――
「黒字化まで2ヶ月しかない」と分かり、背筋が寒くなった。
やばっ!けっこうカツカツじゃん。
こうなると、メニュー・原価・仕入れ先・設備まで、すべてもう一度洗い出し。
あーーでもない、こーーでもないと言いながら数字に根拠を持たせていく。
火が付いたようにやる気は出るけど、同時に焦りも生まれる。
何とも言えない、モヤっとした時間を過ごしていました。
こうなったら行動あるのみ!
商工会にも通って情報収集。
で、その流れで紹介されたのが、ある財団。
創業支援をしてくれる窓口。
「ここで一度相談しておくといいですよ」と勧められて、足を運んだわけです。
はっきり言って、助成金・金利の減少・融資の確率を上げるのが目的で、
正直、セミナーを受けるのはめんどくせぇ―なと、足が重かったのですが
担当についてくれたのは――まさかの村上涼子そっくりの熟女。
大きな瞳に、少し派手めなアイライン。
艶やかな黒髪ロングがさらりと肩に落ち、ふわっと漂う――大人の女の匂い。
香水ではない。もっと自然で、体そのものから滲み出る甘い香りだ。
その体つきは決して細くはない。むしろ、だらしないと言われても仕方ないほど豊満。
けれどそれが、柔らかく熟した果実のように甘美で、胸も尻も圧倒的なボリュームを誇っていた。
ブラウスのボタンが今にも弾けそうなほどパンパンに膨らんだ胸元。
視線は書類よりも、その膨らみに釘付けになってしまう。
「助成金を取るなら、ここを直さないとダメですよ」
少し甘ったるい声。
その声は耳を撫でるように甘く優しいのに、根底の方には“欲に溺れる女”の顔が覗く。
ダメだ。堪らない。
その一瞬に心を奪われた私の頭の中で、妄想は止まらなくなっていった。
もし、このまま二人きりの部屋に連れ込まれたら――
きっと逆らえない。
あの甘い声で命じられたら、俺はすぐにでも膝を折ってしまうだろう。
(この人、絶対ベッドではSだろ…虐められたい。)
頭の中では、彼女が俺を押し倒し、シャツの袖で両手を縛りながら、耳元で囁く。
「焦らなくていいの。書類なんて後回し。
いまは全部、欲望のままに吐き出しなさい。」
胸の柔らかさに押し潰され、爪先で太ももをなぞられ、理性は跡形もなく崩れていく。
ふと彼女の笑顔が視界に入り、我に返った。
……が、現実は会議室の机の上。
ただ赤ペンで訂正を入れられただけだった。
それなのに帰り道、思わずスマホでお気に入りのアダルトショップの
「SMグッズ 拘束具」をしっかり掘り、
危うくポチりそうになったところで我に返る。
せっかく真面目な助成金相談に行ったはずが、
気づけば“夜の開業日記”を綴っていた。
マジかよ。オレは何やってんだよ。仕事もしねーで。
妄想して、勃起して、オナニーしただけじゃねーかよ。
人生かかってんだぞ。
自分の事が嫌になりながら、村上涼子様で、逝かせて頂きました。
結局この日も、数字より欲望に支配され、
“夜の開業日記”はまた勝手にページを増やしていきました。
ーーいったいどこまで足止めになるのか。いや、俺が足止めしてんじゃねーか?
でも、足踏みばかりもしていられない。動かなきゃ。
では、またいつかの夜に。