#1 やっぱり変態にはなれなかった夜

こんばんわ。

おなるくんです。

やっぱり変態にはなれなかった夜。

ラブホ勤めも終盤。

ずっと心のどこかで気づいていたこと。

私は真の変態にはなれない。

そして「やっぱり」と思わされたのが、この夜だった。

 

今回は、ラブホ勤めも終盤に差しかかった頃の話。

熟女社員と友人の言葉が、思いがけず背中を押してくれました。

 

ラブホのシフトも減り、熟女社員とのんびり話す時間もあとわずか。私はいつものように、

「熟女社員さん!ローションの空ボトル、家で捨てるの気まずいから、今度全部捨てていいですか?」

「相変わらずおなるさんは、オナニーばっかりね。」

「またおもちゃ?ほんと信じられない。」

「もうすぐお店やるんでしょ!ちゃんとしなさい!」

 

いつもみたいに笑いながら言うその声に、

どこか寂しさも混じっているように感じた。

普段は冗談ばかりの熟女社員だったけど、

その時ばかりは言葉の奥に温かさがあった。

まるで「ほら、もう行きなさい」と背中を押されているような。

これまでの事を思い出し、胸の奥がじんわり熱くなった。

ラブホのフロントで、思いがけず優しい気持ちに包まれた瞬間だった。

(コスプレ衣装のお届けを毎回、私に行かせてくれてありがとうございました。)

 

それでも、頭の中では「やっぱオレはアダルトBARなのかなー。」なんて逃げ道ばかり考えていた。

夢というより、ただの現実逃避。エロに隠れて、自分を誤魔化していただけかもしれない。

でも、本当は分かっていたんです。

“真の変態” にはなれないと、どこかで気づいていた。

だって、私の周りには埼玉スーパーアリーナの駐車場でオナニーする奴もいれば、

最終の新幹線の連結部分でバックで突かれながら、

通過する駅の人と目が合うかどうか楽しんでたって。奴もいる(女性)

私はどうやっても、ああいう領域には踏み込めない。

だからこそ、残された道でどう生きるのか。

地元で、私にできることは何か。

その問いだけは、いつも頭から離れなかった。

 

そんなある日、友人の焼鳥屋で飲んでいた時のこと。

焼き台の煙の向こうから

「おなる、コックなんだから鶏でなんかメニュー作ってよ!」と一言。

冗談かと思ったが、真剣な顔をしていた。

その目が妙に胸に残って、帰り道でも頭から離れなかった。

数日後には夢中で鶏料理を調べ、レシピ化して送り返した。

すると友人は笑いながらこう言った。

「それ、自分でやんなよ!協力するから!」

それが、友人なりの「早く自分の道をやれよ」という合図だったんだと思う。

「えーーー、ちょー優しいんだけど。」

完全に背中を押されてしまった。

あらためて思った。「やっぱオレ、料理好きなんだ。」

頭に浮かんだのは、沖縄の米軍基地時代に米兵に大人気だったチキンウィング、チキンテンダー。

(あ、これだ。絶対ハマる!沖縄のタコライスもやろう!)

こうして、フライドチキンとバーガーを柱にした

“パーラー的なテイクアウト店”を作ろうと、決めた。

熟女社員の言葉も、友人の優しさも繋がって――

気づけば、逃げ道じゃなく本気で『自分の店』を考えていた。

 

「よし、やるぞ。」

 

あ、やっぱ、今日のオナニー終わってからにしよう。

 

ではまたいつかの夜に。

 

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